日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
熱中症による特発性細菌性腹膜炎の1例
箕輪 啓太野田頭 達也小野 文子
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2021 年 41 巻 3 号 p. 209-212

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抄録

症例は64歳男性。サウナで倒れていたのを発見されて,意識障害を認めたために救急車で当院に搬送された。意識障害,高熱,頻呼吸,循環不全を認め,各種検査結果からⅢ度熱中症による意識障害と脱水に伴う循環血液量減少性ショックと判断した。第2病日に意識障害は改善したが,肝障害や横紋筋融解症の増悪を認めた。第3病日に発熱,血圧低下が再燃し,腹部超音波で骨盤腔に液体貯留を認め,CTでは入院時に比して腸管全体の浮腫状肥厚が増悪していた。翌4病日に暗赤色の水様便が出現し,動脈血乳酸値が9.8mmol/Lと上昇したため,腸管虚血を疑い,試験開腹術を施行した。腹腔内は混濁した腹水を認めたが,消化管穿孔や腸管壊死はなかった。血液培養と術中腹水培養から大腸菌を認めたことから,熱中症による特発性細菌性腹膜炎と診断した。術後は経過良好であり,第31病日に退院となった。Ⅲ度熱中症による消化管障害の際には循環不全による腸管虚血から特発性細菌性腹膜炎に留意する必要がある。

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© 2021, Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
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