2023 年 43 巻 5 号 p. 827-832
内視鏡治療困難な上部消化管出血に対してTAEが選択されている。上部消化管は血管吻合が多く,塞栓術を行う際には血管解剖を熟知して塞栓を行う必要がある。とくに近年保険収載された塞栓物質であるNBCAは血液凝固能に依存せず,塞栓が可能なため,良好な治療成績が得られている。NBCAは液体塞栓物質のため,使用する際にはNBCAの特性を理解して,塞栓方法を選択する必要がある。使用法を熟知することにより安全に使用が可能となる。とくに上部消化管は血管吻合が多く,虚血に強い臓器であることからNBCAの塞栓のよい適応と考える。