2024 年 44 巻 1 号 p. 69-73
症例は87歳,男性。横行結腸MALTリンパ腫に対して,腹腔鏡下結腸部分切除術,D2郭清,体腔内overlap吻合術を施行した。術後14日目に腹痛が出現した。造影CT検査で,絞扼性腸閉塞と診断し緊急手術を行った。初回手術時の横行結腸下行結腸吻合部の非閉鎖であった腸間膜欠損部をヘルニア門として,近位空腸が嵌頓・壊死していた。壊死小腸を切除し,手縫い端々吻合した。腸間膜欠損部を閉鎖する目的で,近位空腸を欠損部に縫合固定し手術を終了した。結腸手術後の腸間膜欠損部への内ヘルニアは比較的にまれであるが,ある一定の確率で起こり得る。今回,D2郭清であったことや,授動の少ない体腔内吻合に加え,腸間膜が重なるoverlap吻合を施行したことで,腸間膜欠損部が小さくなり内ヘルニアが発生しやすくなった可能性が示唆された。今後,結腸の切除範囲や郭清範囲,吻合法を加味し,腸間膜欠損部閉鎖を施行する必要があると考えられた。