2024 年 44 巻 1 号 p. 97-100
症例は48歳,男性。腹痛を主訴に前医を受診し,急性腹症の疑いで当院へ紹介となった。CTで腹水貯留と,造影効果を伴う3.5cm大の腹腔内腫瘤影を認めた。小腸腫瘍破裂出血の術前診断で緊急手術を施行。術中所見では血性腹水を認め,空腸に被膜破裂を伴う壁外発育性腫瘍が存在し出血源と判断,腫瘍を含む小腸部分切除を行った。病理組織学的所見では腫瘍はc-kit,CD34が陽性で,gastrointestinal stromal tumor(以下,GIST),再発高リスク群と診断された。術後はイマチニブを投与し約15ヵ月が経過したが,無再発生存中。腹腔内出血を契機に診断される小腸GISTはまれであり,文献的考察を加え報告する。