2024 年 44 巻 5 号 p. 737-740
穿孔性虫垂炎から敗血症に至る症例は時折認めるが,非穿孔性虫垂炎ではまれである。今回,非穿孔性急性虫垂炎で敗血症性ショックをきたした症例を経験した。症例は51歳,男性。腹痛を認め,当院を受診した。CT検査で蜂窩織炎性虫垂炎と診断した。同日,腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。虫垂は暗褐色調で腫大していたが,穿孔所見は認めなかった。麻酔終了後にショック状態および播種性血管内凝固症候群を発症した。虫垂炎による敗血症性ショックと判断し,集中治療を行い状態を改善させ,術後9日目に退院した。後日,血液培養でEnterobacter aerogenesが検出された。病理組織学的には蜂窩織炎性虫垂炎であった。非穿孔性かつ壊死に至っていない症例でもまれではあるが敗血症に至る症例が存在するため注意が必要である。