日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術術後早期に発生した腸閉塞に対して再手術を要した1例
梅野 紘希木下 雅仁古谷 圭兼定 航近藤 潤也爲佐 卓夫
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2025 年 45 巻 1 号 p. 18-21

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抄録

症例は71歳,男性。右外鼠径ヘルニアの診断で,腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(transabdominal preperitoneal repair:以下,TAPP)を施行した。術翌日に嘔吐を認め,CT検査では明らかな閉塞機転を認めなかった。麻痺性イレウスと診断し,保存的治療として術後8日目にイレウス管を留置した。イレウス管留置後も症状は改善せず,術後14日目のイレウス管造影で右下腹部小腸に狭窄所見を認めたため,準緊急手術を施行した。腹腔鏡観察で右鼠径部の腹膜閉鎖部中央に間隙を認め,小腸が陥入しメッシュと癒着をしていた。小腸との癒着を剝離し,腹膜の間隙を再縫合するとともに,小腸間膜で被覆した。TAPP術後の合併症としてまれではあるが腹膜閉鎖部に関連する腸閉塞が報告されている。TAPP術後早期に腸閉塞を認めた際には腹膜閉鎖部間隙への小腸陥入を念頭に置いて早期診断と適切な治療を行う必要がある。

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