日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
胃癌に対する幽門側胃切除後の残胃壊死の1例
田中 佑治三井 秀雄江本 雛子荒井 奈緒子中里 徹矢金澤 伸郎
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キーワード: 幽門側胃切除, 残胃壊死
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2025 年 45 巻 3 号 p. 398-403

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抄録

症例は82歳,男性。貧血精査で胃前庭部癌の診断で幽門側胃切除術BillrothⅠ法再建を施行した。術後4日目の上部消化管造影検査では異常を認めず経口摂取を開始した。術後6日目に発熱,血液検査で炎症反応上昇を認めた。再度上部消化管造影検査を施行し造影剤の腹腔内への漏出を認め,胃穿孔の診断で保存的加療を行った。翌日の造影CTで胃壁の造影不良を認め,残胃壊死の診断で術後7日目に再手術を行った。開腹所見では吻合部から口側の胃壁が全層壊死していた。胃体上部の胃壁の血流は保たれていたため,胃部分切除,Roux-en-Y法再建とした。術後十二指腸断端縫合不全を認めたが保存的加療で軽快退院となった。残胃壊死はまれな疾患であるが,死亡率は約40〜70%と報告されている。今回われわれは幽門側胃切除後に残胃壊死をきたし,再手術で救命できた症例を経験したため,若干の文献的考察を加えて報告する。

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