日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
上腸間膜動脈塞栓症術後短腸症候群(Type1)に対し人工肛門閉鎖術を施行し社会復帰が可能となった1例
稲熊 岳廣 純一郎升森 宏次小林 陽介鄭 栄哲辻村 和紀宇山 一朗須田 康一
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2025 年 45 巻 4 号 p. 449-452

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抄録

上腸間膜動脈塞栓症は急激な腹痛で発症し腸管虚血を生じる疾患で,術後に短腸症候群となる症例では栄養と水分管理に難渋する。症例は49歳の男性。突然の腹痛を主訴に受診した。既往症に心房細動を認めた。腹部造影CT検査所見で上腸間膜動脈塞栓症を認め緊急手術を行った。Treitz靭帯から20cmよりほぼすべての小腸に広範囲壊死が疑われ,終末回腸温存小腸切除と人工肛門を造設した。在宅中心静脈栄養法を導入し退院した。術後脂肪肝の増悪と点滴投与時間の影響で仕事復帰ができなかったため,術後4ヵ月目に人工肛門閉鎖術を施行した。口側小腸と終末回腸を吻合し,残存小腸は25cmであった。術後普通食が摂取でき,点滴量の軽減が可能となった。脂肪肝の増悪も止まり,仕事復帰が可能となった。終末回腸が温存可能な短腸症候群に対し,人工肛門を閉鎖することでQOLの向上につながる可能性がある。

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