2025 年 45 巻 5 号 p. 507-510
緊急膵頭十二指腸切除で救命し得た胃切除後食塊性腸閉塞による輸入脚症候群,十二指腸壊死の1例を報告する。症例は64歳,男性。11年前に早期胃癌に対し腹腔鏡補助下幽門側胃切除,Roux-en-Y再建の既往あり。夕食にしらたきを摂取,夜中突然の腹痛で救急搬送された。腹部膨満,上腹部圧痛,腹膜刺激症状を認めた。CTで輸出脚から輸入脚にかけて食塊を認め,十二指腸拡張と壁の造影不良から十二指腸壊死と診断し緊急手術を施行。開腹すると,Treitz靭帯から口側の十二指腸が色調不良で,十二指腸下行脚の漿膜が裂け,壊死していた。内ヘルニアや絞扼は認めず,Y脚から輸出脚にかけて食物残渣が充満し,輸入脚が拡張したことが原因と考えられた。膵頭十二指腸切除を施行した。術後膵液漏をきたしたが術後36日目に退院した。胃切除後の食餌性腸閉塞が輸入脚破裂の原因となり得るため,術後の食事指導にも留意する必要がある。