2025 年 45 巻 5 号 p. 511-514
症例1は88歳,女性。嘔気,右下腹部痛を主訴に前医受診し,CTで右閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断され当院紹介受診となった。FROGS法による非観血的整復後に待機的TAPPを行った。術後3日目に退院し,再発や疼痛を認めていない。症例2は101歳,女性。左下腹部痛,嘔吐を主訴に当院に救急搬送となった。CTで左閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断し,FROGS法で非観血的に整復した。しかし,併存症などで耐術困難なため経過観察の方針となった。以後,ヘルニア再発はなかったが,3ヵ月後に誤嚥性肺炎で永眠した。閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対する非観血的整復は,緊急手術を回避でき,周術期合併症発生率や死亡率を低減し得る有用な手技であり,また耐術困難な症例においては,姑息的ではあるが都度嵌頓を整復することで手術を回避することが可能となることから,外科医が習得すべき手技であると考えられた。