日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
慢性経過をたどった魚骨による消化管穿通の2例
寺境 宏介
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2025 年 45 巻 5 号 p. 523-526

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抄録

魚骨誤嚥による消化管穿孔の報告は比較的多く認めるが,今回われわれは慢性的な経過をたどった魚骨穿通の2例を経験したので報告する。1例目は70代,男性。腹痛精査目的のCTで魚骨穿通を指摘された。腹痛は改善傾向であり炎症所見も認めなかったため経過観察となったが,約2年後に腹痛の再燃とCTで腹腔内膿瘍を認めた。腹腔鏡手術で膿瘍を開放し魚骨を摘出した。2例目は80代,女性。自転車転倒後の腹痛を主訴に救急搬送された。CTでは大網の炎症所見と中心の高輝度線状陰影を認め,魚骨による腹腔内膿瘍と診断した。炎症で一塊となった大網と中央の魚骨を腹腔鏡下に摘出した。2例とも術後経過は良好であり,膿瘍再燃を認めていない。認知症や高次機能障害を認める場合に魚骨誤飲を自覚していないことも多く,主訴と病歴が一致しない場合がある。画像所見は比較的特徴的であり,腹痛の訴えがなくとも類似所見を認めた場合には疑うことが肝要である。

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