日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
卵巣奇形腫由来の抗 NMDA受容体脳炎を想定し,卵巣腫瘍摘出術を行い予後良好に救命し得た若年女性の2例
水野 翔古谷 毅一郎林 晃輝角 真徳山下 紗弥吉川 小由里福間 博中尾 彰太荻田 和秀
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2025 年 45 巻 7 号 p. 636-639

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抄録

抗NMDA受容体脳炎は若年女性に好発する自己免疫性脳炎であり,約半数に卵巣奇形腫を認め,腫瘍合併例では迅速な卵巣摘出が予後改善に寄与する。今回,早期に本疾患を疑い,卵巣摘出実施で劇的な改善を認めた2例を経験した。症例1:急性精神症状のため精神科入院後,発熱とけいれん症状が出現し発症19日目に当院に転院搬送の女性。CTで卵巣奇形腫を疑う微細な石灰化所見を認め,抗NMDA受容体脳炎を想起し,緊急手術で卵巣を摘出した。症例2:発熱後の歩行困難・意識障害で当院へ救急搬送の女性。CTで卵巣腫瘍を指摘され本疾患を想起し産婦人科紹介。搬送翌日卵巣摘出を行った。2例とも病理診断で卵巣奇形腫と診断され,術後すみやかに状態改善し後遺症なく社会復帰した。本疾患は精神疾患と誤診されやすく,若年女性の急性神経精神症状に卵巣奇形腫を認める場合,本疾患を鑑別し早期に産婦人科へコンサルト・卵巣摘出を実施することが重要である。

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