日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
イレウスを伴い非虚血腸管に穿孔をきたしたNOMIの1例
畑中 友秀野口 大介
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2026 年 46 巻 1 号 p. 36-40

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抄録

70歳,男性。下腹部痛と膨満感を主訴に受診。CTで骨盤内小腸に非閉塞性腸管虚血(non–occlusive mesenteric ischemia:以下,NOMI)による限局性腸炎を認め,入院で保存的治療を開始した。経過中に嘔吐が出現し,再検査のCTでNOMI腸管より口側のイレウスと腹腔内遊離ガスを認めたため,穿孔部は明らかでなかったが緊急手術を施行した。腹腔鏡下に胃からS状結腸まで観察した。回腸の虚血部に穿孔はなく,その30cm口側の非虚血空腸が穿孔しており,穿孔部から虚血部まで小腸部分切除術を施行した。NOMIに関連した消化管穿孔で虚血部と異なる部位に穿孔を認めた報告は過去にない。穿孔の機序としては,NOMIに続発したイレウスの関与が示唆された。本症例は,穿孔を伴うNOMIにおいて,非虚血消化管評価の重要性とその手段として腹腔鏡手術の有用性を示した。NOMIにおける診療上の注意喚起となる症例と考え報告する。

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