日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
咀嚼不良が原因と考えられた胃石により小腸閉塞をきたした1例
大豆生田 尚彦小泉 大高見 真梨子田原 真紀子三木 厚河合 繁夫
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2026 年 46 巻 3 号 p. 468-471

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抄録

症例は75歳男性。1週間前から持続する腹痛・嘔吐を主訴に来院し,腹部CT検査で小腸内異物と口側腸管拡張を認め,異物嵌頓による小腸腸閉塞と診断され緊急入院となった。イレウス管による減圧は奏効せず,入院後6日目に準緊急手術を施行した。回腸末端から110cmの部位に異物を認め,腸切開により摘出した。術後経過良好で術後第8病日で退院し,6ヵ月間再発を認めていない。摘出された異物は植物胃石と病理診断された。胃石は食物や異物が胃内で不溶性凝集塊となったものであり,本邦では植物胃石が最も多い。胃石形成の要因として胃切除後や糖尿病神経症などによる胃内排泄障害が知られているが,咀嚼不良も一因となり得る。本症例では下顎エナメル上皮腫に対する下顎骨半側切除後の咀嚼不良に加えて,繊維質を多く含む食物摂取が胃石形成の原因と考えられた。咀嚼不良の可能性のある患者の腸閉塞では胃石嵌頓も鑑別診断上位で検討すべきである。

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