2026 年 46 巻 5 号 p. 632-635
症例は81歳男性。下腹部痛を主訴に当院を受診。造影CTでcaliber changeを伴う造影効果不良の拡張した小腸を認め,絞扼性小腸閉塞を疑って緊急手術を施行。開腹すると,暗赤色に変色した絞扼腸管と血性腹水を認めた。絞扼解除後に組織酸素飽和度測定モニターを用いて腸管血流評価を実施。組織酸素飽和度は正常部で40%台に対して,色調不良部では5%と低下。総ヘモグロビン指数は正常部で0.05程度に対して,色調不良部では0.52と上昇。インドシアニングリーン(以下,ICG)蛍光法による血流評価では,色調不良部では蛍光の出現が遷延し,強度も低下していた。腸管の温存は困難と判断し,小腸切除を施行した。組織酸素飽和度測定による血流評価はICG蛍光法や肉眼的所見と一致していた。本手法は定量的評価が可能であるという利点もあるが,臨床的有用性の評価には,今後の症例集積に基づく検証および評価基準の確立が必要である。