2026 年 46 巻 5 号 p. 640-643
症例は77歳の女性。前医で偶然指摘された脾静脈瘤に対して15年間経過観察中であった。直近の半年間で瘤の増大所見が出現したため,加療目的に当院に紹介となった。精査の結果,門脈圧亢進症など原因となり得る疾患は認めなかった。破裂を回避するための治療が必要と判断したが,有効とされる血管内治療が困難であり,静脈瘤切除を企図したロボット支援下尾側膵切除術を施行した。術後経過は良好で,病理学的検査も脾静脈瘤に矛盾しない所見であった。脾静脈瘤はまれな疾患であり,一定の治療方針は確立されていない。しかしながら,破裂した場合は致命的経過をたどる場合があるため,手術加療を含めて検討する必要がある。