日本腹部救急医学会雑誌
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胃癌術後の再開腹症例の検討
石神 純也宮薗 太志夏越 祥次帆北 修一愛甲 孝
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2003 年 23 巻 5 号 p. 735-739

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抄録

当科の症例をもとに胃癌術後に再開腹手術が必要な疾患の臨床的特徴と治療上の留意点を述べた. 術後再開腹が必要となる疾患の発症が疑われた場合, CTや超音波検査, 各種X線検査を駆使してそれぞれの疾患の確定診断に迫らなけれぼならない. 一方で, 術後早期から患者さんのバイタルサインの把握, 腹部理学所見, ドレーン浸出液の性状, 血液生化学検査所見を詳細に観察し, 手術の適応があるかどうかを総合的に判断しなけれぼならない. 胃癌術後合併症の大部分が保存的に治療可能であるが, 合併症の中には放置すると致命的な病態が存在する. 胃癌手術を施行するにあたっては, 術後に重篤な合併症を起こさないように術中留意することはもとより, これら合併症の治療の際には疾患の病態を熟知し, 開腹治療のタイミングを逃さないようにしなけれぼならない.

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