抄録
症例は16歳, 女性。2日前よりの心窩部痛にて発症した急性壊疽性虫垂炎に対して腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。術後38℃ 以上の発熱が術当日を含め5日間続いたが保存的に軽快し退院となった。術後16日目より38℃ 台の発熱, 下腹部痛出現。術後20日目に腹部CT検査にてDouglas窩膿瘍を認め経肛門的に穿刺ドレナージを行い, 軽快した。最初の手術から46日目に再び38℃ 台の発熱が出現した。腹部CT検査にて腹腔内遺残膿瘍と診断した。保存的治療を行ったが, 解熱せず最初の手術から50日目に開腹手術を施行した。左卵巣膿瘍で左卵巣を切除した。術後経過は良好で, その後の膿瘍の再発はなかった。