教育メディア研究
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昭和20年代におけるメディア教育の展開 : 戦後の文部省検定中学校国語教科書「言語編」の分析
稲井 達也
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2006 年 12 巻 2 号 p. 57-72

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抄録
戦後の占領下で発行された文部省検定の中学校国語教科書は,「言語編」と「文学編」に分冊されて編集された。「言語編」では,民主主義社会を生きるための言語技能の向上が企図され,メディアを理解する教材をはじめ,学校図書館の使い方や討論会,会議の方法など,言語技術を中心にした先進的な教材が多く掲載された。しかし,学校現場においては,文学教育に重きを置いた,戦前の道徳教育的な国語教育は改まらず,「言語編」の学習内容は普及しないままに終わった。以降の国語教科書に,メディア教育に関わる教材は殆ど掲載されなくなった。
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© 2006 日本教育メディア学会
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