教育メディア研究
Online ISSN : 2424-2527
Print ISSN : 1340-9352
ISSN-L : 1340-9352
東海3県の大学におけるメディア・リテラシー授業の実態分析
近藤 尚
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 19 巻 1 号 p. 13-23

詳細
抄録
本稿は,東海3県の大学においてメディア・リテラシーを扱う授業がどのように行われているのかを分析した。まず,「マスメディアを主な対象とし,クリティカルな読み手の育成を主目的とするメディア・リテラシー」を20世紀後半型メディア・リテラシー」と名づけた。次に,「マスメディアも含むさまざまなメディアを対象とし,メディアの使用・受容・表現の複合的な能力を向上させることを主目的とするメディア・リテラシー」を「21世紀初頭型メディア・リテラシー」と名づけた。その上で,東海3県の大学のシラバスをもとに,どちらの型の授業が多いのかを調べた。その結果,「20世紀後半型」の授業の方が多いことがわかった。さらに,「21世紀初頭型」授業への移行を妨げている壁は「発信について教えること」であり,「発信」は「専門科目」に比べ「共通教育科目・教養科目」でほとんど教えられていない実態が明らかになった。
著者関連情報
© 2012 日本教育メディア学会
前の記事 次の記事
feedback
Top