抄録
本研究では、日本人大学生を対象に、分離認識と関連認識の認識方法と、インタラクション、満足度、英語学習成果との関係について、対面式とテキスト・チャットを比較し、調査を行った。協調学習環境下では、関連認識の学習者は、分離認識の学習者より、メッセージの頻度が増えるであろうという仮説を立てた。この調査結果では、対面環境においてもチャット環境においても、高い関連認識の学習者は、関連認識の低い学習者に比べて、よりインタラクティブに学習していることがわかった。実験結果から、CSCLのデザインをどう最適化するかについて、文化的な要因が影響していることが明らかといえる。認識方法が、学習者のインタラクションにどのような影響を与えるかを知ることは重要である。学習者の認識方法に内在する認識的信念を考慮することで、教員は、学生の学習を促進することができると思われる。