2016 年 23 巻 1 号 p. 33-46
本研究は,マンガを読解・解釈・鑑賞する活動を通してメディア・リテラシーを育成する学習プログラム(小学校第5学年対象)を開発し,その有効性を検証したものである。国語科の漫画家を題材にした説明文の学習を通して,マンガの表現技法について学んだ上で,漫画家の作品を読み込み,マンガレポートや本の帯やポップを作成する活動を行った。能力評価尺度を用いた事前調査と事後調査の平均点を比較したところ,全ての項目で事後調査の平均点が高く,有意な差を確認することができた。また,開発した学習プログラムを実施したクラスの平均点は,実施していないクラスの平均点よりも高く,有意な差を確認することができた。評価基準による3者の評価の平均点が3点満点中2.5点以上であったこと,Kendallの一致度係数はすべてW=.7以上であったことから,本論で示した学習プログラムは有効であったことが示唆された。