教育メディア研究
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問いづくりを促す世界史授業が歴史の関心と自立的な探究の態度に与える効果の測定
池尻 良平相川 浩昭池田 めぐみ
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 28 巻 2 号 p. 27-37

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抄録

本研究では,教科書とパワーポイントを使って歴史の内容解説をした後,Googleフォームを用いて生徒が生成した問いに対して教師が回答する世界史の授業形式が,歴史の関心と自立的な探究の態度にどの程度効果があるかを測定した。その結果,歴史の関心に含まれると考えられる実践的利用価値と私的獲得価値が事後で有意に増加した一方,興味価値は有意に増加しなかった。また,自立的な探究の態度で重要だと考えられる適応的要請については事前事後で差がなかった。加えて,生成した問いの数による,歴史の関心と自立的な探究の態度への影響も見られなかった。以上より,本授業形式は歴史の関心には部分的な効果がある一方,自立的な探究の態度に対しては不十分だったことが示された。これらの結果を踏まえ,今後の授業形式や教育メディアの活用法を考察した。

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© 2022 日本教育メディア学会
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