1997 年 4 巻 1 号 p. 29-39
これまでの学習者制御型CAL研究の課題に立って、学習者制御型CALの研究と実践のプラットフォームとして利用しうるような実用型CALオーサリング兼実行システムの設計と開発を行った。システム設計にあたっては、(1)学習者制御方式のあり方、(2)学習者支援システムのあり方、(3)簡易実用性、に主点をおいた検討がなされた。開発プロダクト「かきつばた」では、教材をハイパーテキスト型リンクによって結合されるネットワークとして表現する方法によって学習者制御を図り、ガイダンス等の各種学習支援機構を導入するとともに、LOGO言語タイプの簡易言語や市販ソフトによる教材作成を可能とするなどの教材開発環境の充実やマルチメディア教材の利用を可能とする拡張性を図った。また一方で、コンピュータについて特別の知識を有しない一般の教育関係者の利用を可能とするような簡易実用性にも配慮した。