抄録
本研究では、意思決定学習の方法として、ハイパーカード教材の活用と学習者2人1組での相互学習を提案し、その効果を検討するため中学1年技術・家庭科における商品の購入選択に関する意思決定学習を開発し、実践を通して評価を行った。学習の事前事後に実施した質問紙調査および学習中の発話記録、学習プリント、教材への入力履歴の分析から、1)基本的な視点を持たせるにはハイパーカード教材が有効であること、2)相互学習時には学習者が相互に影響を与えあって視点を広げていること、3)商品の妥当な評価や決定の見直しにはハイパーカード教材が有効であること、4)商品の妥当な評価にはハイパーカード教材などの外的な条件が整備されていることと学習者自身の意欲や態度等に問題がないことが必要であるが、後者がより重要である、の4点が明らかになった。