抄録
本研究は,演劇的手法を教育現場に取り入れるための方法と支援策を明らかにすることを目的とし,教員向けワークショップを実施してその成果を分析した。演劇的手法は,主体的・対話的で深い学びを促進し,創造性やコミュニケーション能力,自己理解の向上に寄与する可能性が指摘されている。本ワークショップでは,インプロ(即興劇)の専門家と協力し,参加者18名を対象に,演劇的手法の効果や実践方法を体験的に学ぶ場を提供した。参加者のアンケート結果から,手法の教育的有用性への高い評価が得られた一方で,導入時の難易度や実施可能性への懸念が示された。また,支援策として教材やモデル事例の提供,研修機会,現場でのサポート体制の必要性が明確になった。今後は,複数回のワークショップを通じて長期的な効果を検証し,日本の教育現場での演劇的手法の適用可能性を高めるための具体的なプログラム構築を進める必要がある。