抄録
小中学生のスマートフォン所有率は上昇傾向にあり,それに伴いSNS(LINE・X・TikTok・Instagram)の利用率も増加している。2023年11月時点でのSNS利用率は63%(中学生は96%)に達した。SNSの利用には,小中学生の人との繋がりを深め,拡大させる正の側面が存在する一方で,犯罪に巻き込まれるなどの負の側面もある。本稿では,SNSを高頻度で利用している子どもの特性を,小学生と中学生に分け,各サービスに対して数量化理論第Ⅱ類を用いて明らかにすることを目的とした。分析の結果,「親と子が直接会話する時間」が短いことが共通の特性として浮かび上がった。「子のICTスキル」は小学生では低く,中学生は高かった。また,「スマホのペアレンタル・コントロール」や「友達の多さ」「親の年齢」との関係は見られなかった。