抄録
本研究では,過去に開発したSNS上の情報信憑性を判断するゲーム教材を用いて,大学の「マルチメディア論」の授業で授業実践を行った。教材には新聞社サイトやSNSを模した記事カードが含まれており,学生が情報の真偽を議論しながら「ほぼ正確」「ミスリード」「不正確」「虚偽」のいずれかに判定するゲームである。ゲームの事前・事後にアンケート取り比較した。その結果,学生はSNSの真偽を適切に判定することの難しさを実感したことが確認できた。さらに「楽しく学べた」という評価が多く,ゲーム形式の学習が学習意欲を高めることが示された。その一方で,アンケートの分析結果や自由記述からは,ルール説明の不十分さや時間配分に関する課題が指摘された。また問題の量や難易度について改善の余地があると考えられる。