抄録
公立中学校で「生徒が自ら学ぶ力」に注目し,授業の中で「学び方を習得し,活用する場面」を取り入れることを意図した取り組みを行った。この取り組みでは,そのような授業に合わせて,1週間を振り返る活動(メタタイム)を行った。振り返りの記述を分析した結果,高成績群の生徒と低成績群の生徒の振り返りに差異がみられた。高い生徒は,学び方や次回への課題について記述していることが多いが,成績の低い生徒は「振り返りをした」や「学び方がわかった」など自身の学習と振り返りを関連づけて書けている生徒は少なかった。しかし「分からないことに気がつくことができた」の項目は高成績群の生徒よりも多く,成績によって振り返りの記述が異なることが明らかになった。それぞれの特徴に応じた指導が期待される。