抄録
算数教育において,数に関する概念を獲得するために,一つの数を他の数の和や差や積で捉えるといった,数の合成と分解が取り入れられている。数の合成と分解を行わせる教材として,村川(2012)の開発したカードゲーム型学習教材「マスピード」がある。しかしマスピードはそのルール上,単純な数の合成と分解を行う方が,戦略上有利になる可能性がある。数に関する概念の獲得を目指すためには,より複雑な数の合成と分解が促される必要がある。そこで本研究では,より複雑な数の合成と分解を促すようなアプリ版のマスピードを開発することを目的とした。開発を行い,小学校2校に配布し,5ヶ月間にわたって利用させた。実施の前半部分と後半部分で比較した結果,複雑な数の合成と分解が促されていることが明らかになった。