抄録
NHK放送文化研究所では,教育現場におけるメディアの利用やデジタル化の実態を把握するため,2024年度に小学校教師を対象とした調査を実施し,全国の1学年から6学年の担任教師,計2,335人の回答を得た。調査結果から,教師の75%が「タブレット端末」を授業で「ほとんど毎日」利用していることが確認された。児童に1人1台ずつ配付されたパソコンやタブレット端末については,教師の64%が授業において「ほとんど毎日」児童が利用していると回答し,75%が家庭への持ち帰りを行っていると回答した。そうした環境下で特に利用率の高いメディア教材は「NHK for School」(94%)と「YouTube」(74%)で,ネット配信の動画コンテンツがよく利用されていた。また,授業支援ツールの機能の利用について経験年数別にみると,熟練教師は「スライド作成機能」,「チャットでの意見交換」,「アンケート,意見集約」の利用が比較的少なく,生成AIの授業中の利用にも他の教師より消極的であることが確認された。