抄録
本研究は,校務の情報共有の手段としてチャットを活用する公立小学校の教職員のチャットへの投稿を対象に,GIGAスクール構想前後の校務における教職員間の情報共有について比較することで,その特徴を明らかにすることを目的とした。そのために,対象校で活用されているチャットスペース上の投稿を整理し,①投稿数の統計量,②月別の投稿数,③投稿者の属性と投稿数の3観点について,GIGAスクール構想以前に調査を行った先行研究である三井ほか(2020)と比較した。その結果,投稿総数はGIGAスクール構想前後で約5倍に増加している一方で,平均文字数は44.8文字と約5分の1に減少していること,本調査と三井ほか(2020)のいずれの結果においても,8月の投稿数が最も少ないことが確認された。さらに,本調査では,投稿者に外部指導者や他校の教職員,PTA関係者など,調査対象校の教職員ではない属性の投稿者が含まれていることが確認された。