抄録
東京科学大学では,科学技術分野における未来の大学教員育成を目的とした Preparing Future Faculty(PFF)プログラムの実態を把握するため,米国の著名な研究大学であるハーバード大学とダートマス大学の教授学習センターを訪問した。ハーバード大学では,大学院生向けの教授方法クラス,ならびにセミナーを担当する関係者と面談し,意見交換を行う機会を得た。ダートマス大学では,主に科学技術(STEM)教育の教授方法クラスを見学し,担当教員からカリキュラム等について説明を受けた。その結果,以下の3点が明らかになった。(1)TA研修の内容,ならびにカリキュラムは部局ごとに異なり,また,その運営は一部の教員が単独,または少人数で担っている場合が多いこと,(2)PFFを含むTA向けの研修は,大学院生のキャリア形成を支援する講座として位置付けられており,複数の教育支援組織が連携して運営していること,(3)専門分野に根ざした教育能力の向上は,大学院生が教育教員として採用される可能性を高めると考えられていることが明らかになった。