日本教育メディア学会研究会論集
Online ISSN : 2435-0729
Print ISSN : 1344-8153
「問い」をひらく学校図書館
高校版100人論文における匿名付箋対話の探索的分析
長山 定正
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2026 年 61 巻 p. 119-125

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抄録
本研究は,中学・高等学校の図書館を活用して実施した問い共有型企画「知の出会い」を対象に,図書館空間を教育メディアとして再設計した実践の効果と課題を探索的に検討するものである。実践はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)第4期指定校である勤務校の図書館(通称:第三教育センター)で実施し,高校生15名が15件のポスターを掲示した。各ポスターは,画像1点と「研究の問い」「なぜ重要か」「読む人への問いかけ」の3項目で構成し,来場者は自由に回遊しながら匿名で付箋コメントを書き込む形式とした。分析対象は,会場写真・見取り図・ポスター例,付箋コメント,事後アンケート,自由記述,ライトニングトークに関する複数回答アンケートである。付箋コメントの暫定コーディングでは,「問いの深化」「社会的・実生活接続」「探究支援的提案」が多く,単なる称賛よりも問いを前進させる対話が優勢であった。自由記述では,他者視点の獲得,言語化・整理の促進,承認による自信形成が見られた一方,ライトニングトーク希望者は得られず,書く対話から話す対話への移行支援が課題として残った。以上から,本実践は,学校図書館を「読む場所」から「問いを媒介に見る・書く・つなぐ場所」へ拡張する教育メディア実践として意義をもつことが示唆された。
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