選挙研究
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明治期小選挙区制における選挙区割りと選挙区人口
明治22年衆議院議員選挙法未成案をめぐって
末木 孝典
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 30 巻 1 号 p. 128-142

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抄録

本稿は,明治22年に成立した衆議院議員選挙法の未成案に基づいて,最初の小選挙区制における選挙区人口の実数と選挙区割りについて明らかにするものである。従来の研究では,金子堅太郎の述べた,人口12万人に議員1人を配分し,18万人を超えると2人とする基準が用いられてきた。しかし,未成案によってそれが誤りであることがわかった。また,未成案と成案を比較することによって,未成案段階での選挙区人口がそのまま成案でも使われたこと,変更は基本的に行政区分の変化を反映させ,地域事情をふまえたものであり,区割り・人口の基準を外れるのは離島の扱いを変更したものだけであること,ゲリマンダリングが行われた形跡がないことを明らかにした。近年,選挙研究においては歴史分析と計量分析との共同研究の意義が強調される。今回の新史料を用いた計量分析を期待したい。

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© 2014 日本選挙学会
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