選挙研究
Online ISSN : 1884-0353
Print ISSN : 0912-3512
ISSN-L : 0912-3512
政権交代と国会議員の政策選択
2012年選挙における自民党議員の政策選好
建林 正彦
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2014 年 30 巻 2 号 p. 19-34

詳細
抄録

2012年に政権復帰した自民党議員は,どのような政策指向を有していたのか。本稿では,2012年総選挙の候補者に対する早稲田大学と読売新聞社の共同サーベイをもとに,自民党議員の政策位置を分析した。分析の結果,2012年に大量に当選した新人議員とシニア(多選)議員の間には,安保・憲法にかかわる争点や,経済開放・国内開発に関する争点において立場の違いが存在し,シニア議員がよりタカ派的,国内開発的な立場を採っていることが明らかになった。また議員の政策的立場を規定する要因としては,前者については,都市選出の議員ほど,選挙で強い議員ほどよりタカ派的な立場を採る傾向にあり,年齢をコントロールした上でも当選歴の効果が見られたのに対し,後者については,地方選出の議員ほど国内開発指向が強く,年齢をコントロールすると当選歴の効果は見られなくなるという争点ごとの違いが明らかになった。

著者関連情報
© 2014 日本選挙学会
前の記事 次の記事
feedback
Top