選挙研究
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日本の新聞の左右論調:1970年~ 2019年
金子 智樹
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2021 年 37 巻 1 号 p. 33-46

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抄録

本稿の目的は,戦後日本の新聞に関して,地方紙の社説の独自性や,各紙の左右イデオロギー的な論調の推移を明らかにし,その背景要因を検討することである。具体的には,1970年~ 2019年の50年間において,全国紙と地方紙(計50紙)の憲法記念日前後の社説(計2211本)を網羅的に収集・データ化し,計量テキスト分析を行った。分析内容は下記の2つに大別される。①地方紙が社説で共同通信の資料版論説をどの程度利用してきたのかを,機械的な手法によって分析した。まず,共同通信の資料に依拠した社説は多数派とは言えないことを確認した上で,社説執筆リソースなどの背景要因について検討を行った。②各紙の左右イデオロギー的論調をコーディングによって数値化し,日本の新聞論調の推移の全体像を可視化した。その上で,地方紙のリベラル傾向の論調の多様性と,新聞が論調を保守化させる要因について考察を行った。

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