2011 年 53 巻 12 号 p. 826-830
2011年3月の福島第一原子力発電所事故の反省から,政府は環境省の外局として原子力安全庁を設立することを目指して検討を進めている。日本の原子力規制行政を改革するためには,規制組織の枠組みよりも組織の中身,特に規制機関の上級職員の専門性向上が緊急の課題である。原子力安全庁の長官および上級職員を,能力主義に基づき任命し,その在職期間を欧米諸国と遜色ないものとする必要がある。そしてIAEAのレビューを再度受けることが,我が国の原子力安全規制を国際レベルに引き上げる上で有効である。