2011 年 53 巻 12 号 p. 821-825
福島第一原子力発電所事故時の初期の段階に,環境放射線モニタリングやSPEEDIによる放射線情報の把握の活動がいかに行われたかを検証するために,実際に得られた環境放射線モニタリングの結果と事故・災害に対する対応の時系列を同時進行的に検討した。その結果,災害対策本部としての緊急時モニタリングの体制の確立にかなりの時間を要したこと,事業者および福島県の環境放射線モニタリングおよびSPEEDI計算結果を関連付けて検討することにより,緊急時モニタリング計画の立案と実行が大幅に改善された可能性があることなどが明らかとなった。