日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
解説
欧州型発電所の非常時電源と事故緩和ベント
原子力の信頼性向上策と福島国際センター設立の提案
杉山 憲一郎
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2011 年 53 巻 12 号 p. 831-835

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抄録

 発電所の事故防止のためには非常時電源の多様性・冗長性が最も重要である。全電源喪失事故では欧州型手動操作ベントが放射性物質の放出量を最小限にし,周辺住民の安全を守る。福島第一事故以降,定検を終了した発電所の再稼働が進まない。国民の理解を得る安全性向上・事故緩和策の検討のために,欧州型電源・ベント設備を紹介する。加えて,国外,国内に事故現場の新知見・汚染除去技術の最新情報を継続発信していくことが,原子力技術の信頼回復のために重要である。この具体策として,福島国際センターの設立を提案する。

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© 2011 一般社団法人 日本原子力学会
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