原子力安全委員会が2006年9月に改訂した耐震設計審査指針に基づく基準地震動の評価方法と,柏崎刈羽原子力発電所を例とした耐震安全性のためのバックチェックについて紹介する。新潟県中越沖地震のときの柏崎刈羽発電所における強震動は,これまで経験的関係式として用いられている断層最短距離と最大加速度の関係に比べて顕著に大きかった。その原因を明らかにする。また,今後の基準地震動の評価のために,敷地周辺における地震動観測および震源域から敷地に至る伝播経路の地下構造の調査に基づいて,地震動伝播特性の把握,震源となる断層の形状の設定および断層パラメータのばらつきの検討の重要性について述べる。