日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
解説
核鑑識技術の確立に向けて
久野 祐輔桜井 聡堀 雅人
著者情報
解説誌・一般情報誌 フリー

2011 年 53 巻 4 号 p. 263-267

詳細
抄録

 近年,核兵器等によるテロリズムの脅威を未然に防ぐための国際的な取組みとして「核の鑑識(nuclear forensics)」がクローズアップされている。核物質等の不法取引や核・放射性物質を伴う破棄行為の際に押収または採取された核燃料等を分析し,その出所,履歴,輸送経路,目的を特定するというものであり,不正取引や核テロを効果的に防止かつ抑止する上で極めて重要な技術である。2010年4月の核セキュリティーサミットにおける合意に基づき,今後,我が国でも核鑑識技術の確立に向け取り組んでいくことが必要となった。本稿では,核鑑識技術の現状について国際的な取組み状況を含め解説するとともに,今後,我が国として対応すべき核鑑識の技術開発およびこの分野における国際協力のありかたについて併せて考察する。

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本原子力学会
前の記事 次の記事
feedback
Top