2017 年 59 巻 10 号 p. 583-587
筆者の専門は発生生物学であり,ここを読みに来る多くの方のそれとは大きく異なると思われる。核といわれて思うものは原子核ではなくDNAの存在する細胞核であり,スピンとくれば電子の回転ではなく遠心分離を意味する。マックスウェルの理論は電磁場ではなく,うどんのキレやコシの予測に使われる1)。陽子や光子となればそれは「生徒諸君!」や「放浪記」に結びつく。したがって,これからお話しする内容が読んでくださる方々にどれほど関連するのか予測がつかないが,逆にいえば同業者が読む可能性が極めて低いということにもなり,匿名のブログのノリで本能の赴くままに孔子70歳の境地には全く及ばない様々を書き連ねて見たい。ちょっと変わった車窓の風景となることを願って。