日本原子力学会誌ATOMOΣ
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Print ISSN : 1882-2606
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学会廃炉委における廃棄物の取り組みと今後について
新堀 雄一
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2021 年 63 巻 3 号 p. 263-266

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抄録

 福島第一原子力発電所廃炉検討委員会では廃棄物検討分科会(主査:柳原 敏先生)の中間報告として「国際標準からみた廃棄物管理」を取り纏めた。本報告書の重要なメッセージの一つは,1Fの廃炉・サイト修復で発生する放射性廃棄物の取り扱いは,世代を超えた長期にわたることが予想され,エンドステートを念頭にサイト内においても中間エンドステート(廃炉(除染・解体)やサイト修復等の各活動の達成目標)を定め,着実にステップを踏むことが重要となることを指摘している点にある。学会における廃棄物分科会では,クリアランス制度,廃棄物の再利用,放射性廃棄物の定義,処分までに至る間の安定な保管とその処分に及ぼす影響の把握,さらには処分サイトを含む1Fの事故修復の段階的な進捗について,ステークホルダーとの意見を深める重要な時期に来ていると考える。

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