2022 年 64 巻 10 号 p. 576-580
超音波探傷試験(UT)は,内部欠陥の検出に有効であり,インフラや発電所の点検など産業界で広く利用されている。UTデータから欠陥を評価する作業は,検査員の技量に大きく依存する。本研究では,AIの手法である畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いてフェーズドアレイ超音波探傷(PAUT)の画像から“欠陥あり”・“欠陥なし”の2クラスに分類するシステムについて紹介する。画像を小領域に切り出し,切り出した画像ごとに2クラスの分類を行い,1枚でも“欠陥あり”と分類された画像があれば,切り出す前の元画像も“欠陥あり”とする方法により,元画像の欠陥検出率(欠陥を含む画像に対して“欠陥あり”と分類する確率)は99.3%となった。