抄録
症例は45歳の男性。幼少期の健診にて完全内臓逆位を指摘されていた。下肢の脱力を自覚し近医を受診,高血圧および低カリウム血症が認められ精査・加療目的にて当院紹介となった。画像検査にて右副腎に接する約2cm大の腫瘤を認め,同時に全内臓逆位が確認された。血液検査では,アルドステロン血症が認められた。副腎腺腫に起因する原発性アルドステロン症と診断し,腹腔鏡下に右副腎腫瘍摘出術を施行した。病理組織の結果は副腎皮質腺腫であり,原発性アルドステロン産生腫瘍であった。今回われわれは,完全内臓逆位を伴った右副腎腫瘍を経験した。腹腔鏡下に切除しえた本邦報告例はなく,稀な症例であり文献的考察を加え報告する。