抄録
対照飼料もしくは炭化水素酵母を15%含む飼料を与えた5世代の雄および雌鶏の成績を総合して解析するとともに, 3代鶏で2年以上対照もしくは酵母飼料を与えたものの肉と卵について, 核酸, 重金属すなわち水銀, 鉛, カドミウムおよびヒ素, ならびに発ガン性が考えられる多環芳香族化合物の含量を測定した。酵母は国内4社の製品である。
本報および前報の実験結果を総合して, つぎのような結論がえられた。
1. 炭化水素酵母は, 養鶏用飼料の蛋白質, エネルギーおよびリンの給源としてすぐれている。ただ, 大豆粕の栄養的特徴と似ていて, 含硫アミノ酸とビタミンB12が不足するので注意する必要がある。
2. 酵母を与えて生産した肉や卵を食べる人の健康を損なうほどの多量の有害物質が, 酵母に含まれているとはいえない。また, 酵母を与えて生産した肉や卵の品質が劣るというデータはえられなかった。
3. 酵母には鶏の健康を維持し, 生産力を高める活性因子が含まれていることが示唆された。