抄録
低侵襲手術である内視鏡外科手術は,近年ロボット支援手術へと発展してきた。手術支援ロボットda Vinci(da Vinci surgical system, Intuitive Surgical Inc.)は,2000年にFDA(アメリカ食品医薬品局)により承認された。2006年に開発された後継機種のda Vinci Sは,視認性や操作性などの点で格段に改良されたため,海外では甲状腺手術や頭頸部癌に対する経口的手術などにも使用されている。一方,本邦では2009年に泌尿器科,婦人科,胸腹部外科(心臓外科を除く),消化器外科領域に薬事申請が認められ,手術支援ロボットによる手術が可能となった。しかし保険に関しては,2012年に前立腺全摘術が保険収載されたのみであり,他の手術は依然として保険の適応がない。