日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
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症例報告
橋本病の精査で発見された上甲状腺動脈瘤の一切除例
川﨑 由香里杉野 圭三西原 雅浩川口 康夫楠部 潤子土肥 雪彦
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2014 年 31 巻 3 号 p. 243-246

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抄録
症例は63歳女性。甲状腺腫大の精査で施行した頸部CT検査で右上甲状腺動脈瘤を指摘され,当科紹介となった。甲状腺は右葉有意にびまん性に腫大し,頸部エコー検査でも右上甲状腺動脈の一部が瘤状に描出され,上甲状腺動脈瘤を疑い,手術を施行した。術中所見では右上甲状腺動脈に約12mmの動脈瘤を認め,同部を含めて甲状腺右葉切除術を施行した。病理組織検査で,甲状腺動脈瘤,橋本病と診断された。
甲状腺動脈瘤はこれまでに28例しか報告されていない稀な疾患である。しかしその約半数は破裂症例で,致死率は10%とされる。そのため,無症候性であっても,外科的切除もしくはコイル塞栓による早急な治療が必要な疾患と考えられる。
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