抄録
放射性ヨウ素(RAI)治療抵抗性の再発甲状腺分化癌の治療は今まで甲状腺刺激ホルモン(TSH)抑制しかなかったが,最近,分子標的薬剤がこれらの患者のprogression-free survivalを有意に延長するという報告があり,すでにsorafenibが保険収載されている。しかしRAI抵抗性再発分化癌の予後は必ずしも悪くなく,有害事象(AE)が強く出る分子標的薬剤を安易に使うことが患者にとってよいことかどうかは多いに疑問である。再発巣の腫瘍量,短期間での病勢進行,サイログロブリン値の変化などを考慮し,症例を厳しく選択し,使用後も思わぬAEが起きることがあるので,頻回に検査データをチェックしていかなくてはならない。本稿は当院の経験を元に,分子標的薬剤の適応について述べた。